楽しいはずのサイクリングで怪我をすることほど馬鹿らしいことはありません。ヘタをすると仕事や生活に支障をきたします。幸いなことに、落車して怪我をする確率はゼロにはできませんが、大きく減らすことはできます。経験を積んでくると自然と危険を回避する技術もついてきます。しかし、初心者の人に「経験を積め」と言っても何の解決にもなりません。そこで、この本ではスポーツバイクでの事故のリスクを減らす方法や注意点をまとめてみました。
本書の対象は、スポーツバイクに最近乗り始めたばかりの方です。すでに何年かの経験はあるけれど、よく落車してしまうという方、あるいはコーナーや下り、雨の日が苦手という方にも何か役に立つヒントが含まれているかもしれません。普段は一人で走っていて、サイクリングイベントにときどき参加するけれどいまひとつ自信がない、という方や通勤で市街地を走っている方にも読んでいただければと思います。
自動車の運転免許を持っていない方(例えば、中高生)向けに、ドライバーの視点に立って「避けるべき走り方」も解説しました。
目次
1 基本編
1−1 きほんの10箇条
1−2 走行前の点検
1−3 ブレーキングの基本
1−4 ブラケット vs. 下ハン
1−5 片手離しのときはどうする?
1−6 車道を走ろう
2 単独走行時の危険を避ける
2−1 スリップを避ける
2−2 段差を避ける
2−3 コーナーを安全に走る(平坦編)
2−4 コーナーを安全に走る(下り編)
2−5 さまざまな障害物
2−6 悪天候時のライド
2−7 悪状況でのライド
2−8 そのほかの潜在的な危険
3 対人事故を避ける
3−1 歩行者の横の通過
3−2 ママチャリダーは「スピードの速い歩行者」と思え
4 対クルマ事故を避ける
4−1 自転車は軽車両
4−2 安全走行の大原則
4−3 交差点での右折方法
4−4 ときには歩道も走る
4−5 アイコンタクト
4−6 左折巻き込みの防止
4−7 交差点での待機、すり抜け
4−8 左折専用レーンへの対応
4−9 いろいろな状況
4−10 一時停止、点滅信号、緊急車両
4−11 住宅街も要注意
5 手信号(ハンドサイン)
6 集団走行で安全に走る
6−1 1列で走るときの注意
6−2 先頭交代のタイミング
6−3 信号・交差点通過の注意
6−4 車や歩行者に挨拶しよう
7 メカトラ事故を避ける
7−1 ブレーキ
7−2 パンク
7−3 クイック
7−4 ハンドル周り
7−5 ペダル外れやクリート外れ
7−6 チェーン脱落
8 安全走行のための5つの練習
9 落車してしまったら
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推薦の言葉
ブリヂストン・アンカーサイクリングチーム、西薗良太
(2012年、2016年全日本選手権個人タイムトライアル優勝)
ロードバイクには危険がつきものです。プロサイクリストともなると趣味でサイクリングをしている方に比べて2〜3倍も乗車時間が長いため、事故の確率はそれだけ高まることになります。一方できちんとした選手ほど交通事故や集団走行による事故は少ないという印象があります。その秘訣はこの「はじめてのスポーツバイク:安全に走ろう」でも一貫して述べられているように、常に車両としての自覚を持って自転車を運転していることにあります。運転免許の講習やテストでよくいわれることをきちんと抑えるだけで、ぐっと事故の確率は減少します。
そこにスポーツバイク特有の事情が加わってくるわけですが、経験を積んだサイクリストなら誰でも知っているが、経験しないと知らない細かなポイントはこれまで見過ごされがちでした。悪い意味で「体得」してしまってからでは遅いわけです。これまではサイクリスト同士で口伝されていた知識を和田さんのこの本で俯瞰してから初心者の方はサイクリングを始めることをおすすめしますし、経験者も自分の知識との齟齬がないか読んでみてはどうでしょうか。
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