本作品は2009年12月に秀和システムより出版された『クリティカル・シンキング実践ワークブック』を一部修正し、電子書籍版として出版したものです。
批判的に考えること、これは常識や人の主張を鵜呑みにするのではなく、それが本当に正しいかを検証することです。この態度はクリティカル・シンキングと呼ばれています。
そしてこの「クリティカル・シンキング=批判思考」の訓練をすることで、多様な意見や見解を無批判に受け入れて思考停止状態になることを避け、物ごとを論理的に考えられるようになるでしょう。
本書の多数の問題を通して皆さんの批判思考力を高めていただきたいと思います。
【目次】
第1章 クリティカル・シンキングとは何か
1-1 「疑う」ということ
1-2 クリティカル・シンキングとは何か
1-3 ロジカル・シンキングとクリティカル・シンキング
1-4 クリティカル・シンキングと創造性
1-5 批判思考の基本手順
column1 批判思考と読書
第2章 主張を批判的に理解する
2-1 理由と結論を見極める
2-2 標識に注目する
2-3 他の標識にも注意する
2-4 理論構成の基本パターンを知る
2-5 パターンの組み合わせを見極める
2-6 演繹法の仕組みを知る
2-7 演繹法の大きな落とし穴
2-8 暗黙の前提に注意する
2-9 帰納法の仕組みを知る
2-10 ピラミッド原則を念頭に文章全体を検証
2-11 ピラミッド原則と文章の関係を理解する
2-12 安易なカタカナ文字には要注意
2-13 より深く理解するためのヒント
column2 「絶対」には要注意
第3章 理由の適切性を評価する
3-1 主張を評価するポイント
3-2 理由の適切性を検証する
3-3 暗黙の前提を検証する
3-4 理由の矛盾を検証する
3-5 理由の信頼性を検証する
3-6 統計データに騙されない
3-7 帰納法の前提に関する注意点
column3 帰納法とアンケート
第4章 原因と結果を正しく把握する
4-1 因果関係の適切性
4-2 共通点と相違点
4-3 一致と差異を併用する
4-4 共変関係と因果関係
4-5 異なる原因を考えてみる
column4 あえて反論する
第5章 不適切な議論を検証する
5-1 導出の妥当性を検証する
5-2 演繹の不備を指摘する
5-3 「ならば」に気を付ける
5-4 「ならば」の逆に注意せよ
5-5 対偶だからと安心しない
5-6 二者択一には疑いをもつ
5-7 不適切な結論づけを指摘する
5-8 証明できないものは根拠にならない
5-9 論理の飛躍をチェックする
5-10 詰まるところ評価は何か
5-11 ロジカル・シンキングによる主張構築
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