ユダはなぜイエスを裏切ったのか?
民衆の支持を集めたイエスがなぜ十字架にかけられたのか?
『イエスと弟子たち』は2006年12月に刊行した小説で(聖書の研究書とか、学術的な論考ではありません)、キリスト教の始祖イエス・キリストの生涯のドラマ性と「裏切り」を行うユダの心中を詳細に描いた物語です。聖書研究の成果を踏まえて聖書に描かれたイエスの生涯の枠内はしっかり守りながら、物語としての面白さを十分に取り入れたつもりなので、普通の物語として読んでも面白いという印象を持ってもらえると思います。
刊行部数が少なくまだ世間的には認知されていませんが、この本を最後まで読まれた方からはかなりの高評価をいただいており、「とにかく面白い」「最初から止まらなかった」「2日で読み終えた」「今4回目に入っている」「非常に惚れ込んだ」「名著と言っても過言ではない」「続編が読みたい」などの声が届いたり、「面白くてどこにでも持っていって暇さえあれば読んでいるので、本が傷んでしまった」という理由で2冊目の注文(2940円の本)をしてくれた方すらいたものです。
今までの電子書籍版では「注と解説をつけたものを分割して刊行する」という方針でやっていましたが、その後「注と解説を切り離したものを廉価版として刊行した方がいい」という思いになりまして(詳細は電子書籍『月聖出版とは何か』本論16節に記載)、第一部全十二章を一冊にまとめた形で刊行することにした次第です。
「注と解説」(執筆する際に聖書や資料のどこを引用したのかを明記した注と、小説で描いたエピソードが実際にあった可能性の検討などの解説)は「完全版」の方に収録していますが、これを読めば「小説で描いた話が現実にあったかもしれないリアリティー」が感じられると思うので、この『イエスと弟子たち』を一層楽しんでもらえると思っています。
洗礼者ヨハネの後継者として独自の活動を開始したイエスの周囲にユダ、ペテロ、ヨハネらの弟子たちが集うが、「救世主宣言」によってエルサレム衆議会に敵視され、パリサイ派や祭司から執拗な妨害を受けるようになる。愛の教えが民衆に受け入れられず失意のイエスの前に現れるマグダラのマリア、保身からイエスを逮捕しようとする大祭司カヤパ、必死の思いで論戦を挑む祭司ボアズ、そして敵たちを背後から操る黒幕の存在……。
「ラザロの復活」によって民衆は再びイエスを熱狂的に支持するが、衆議会はユダを利用してイエスの逮捕に成功し、ピラトの公開裁判で民衆を扇動して十字架刑の判決を出させる。「裏切り」を行ったユダの心中には「過去の体験で刻まれた強い決意」があった。
二千年来の「謎」である、「ユダはなぜイエスを裏切ったのか」「民衆の支持を集めたイエスがなぜ十字架にかけられたのか」という問いに対する一つの答えがここにある。
序 章
第一章 洗礼
第二章 説法
第三章 宣言
第四章 捕縛
第五章 論戦
第六章 失墜
第七章 涙
第八章 過去
第九章 エルサレム
第十章 裁判
第十一章 十字架
第十二章 イエスとユダ
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