巣から落ちて、雨の中、シーシー泣いていたひなを拾った日から、六角文庫はチュール(雀の名前)・レアリスムの日々でした。
介護が一段落したときに、ふっと言葉が卵の殻を破って出て来ました。詩のひなのようなものです。小さなビートを打つ生命、その目覚ましい成長ぶり、日々の驚きと緊張……じっとしていられなくなったのでしょう。といって、雀のひなが無事育つかどうかも分からないのに、詩のひなの行方など面倒見切れません。大いに迷いましたが、最後は雀のひなに託しました。
雀のチュールはすくすく成長し、放鳥後も文庫周辺で暮らして、いろんなことを教えてくれました。姿を消したのは、もうすぐ冬という朝。
日詩は、当時ホームページに連載、姿が消えた後も書き継ぎ、最終第300節は20世紀最後の大晦日でした。
(この体験から生まれたのが『天狗と雀』です。)
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