筆者が執筆した『ウェブスター辞書と明治の知識人』は、おかげさまで世の中に広く受け入れられ絶版となりました。そこで、その書のうち一般の人々にもっとも好評であった第二部のみをアマゾンより出版することにしました。原本と写真はかなり異なります。
ウェブスター辞書が明治英学に果たした役割は計り知れない。明治期に出版された英和辞典のほとんどはウェブスター辞書の影響を受けている。これらの各種ウェブスター辞書が英和辞典の編纂に利用された。また、明治時代に英語を学んだものでウェブスターのスペラー(綴字教本)や英語辞書に触れなかった者はいないくらい彼の存在は偉大であった。ウェブスター辞書は辞書編纂にたずさわった明治の英学者だけでなく、世界特に英米に目を向けた明治初期の文化人とも深いかかわりをもっている。彼らが、ウェブスターを通して英語といかに向き合ったかを追求したい。
ここで取り上げた人物は次の通りである。目次で示したい。
一 福地桜痴の英和辞典編纂
一・一 福地源一郎と洋学
一・二 文久二年遣欧使節団随行
一・三 福地源一郎の英和辞典編纂
一・四 アメリカ訪問とリッピンコット社
一・五 『英和対訳袖珍辞書』への歩み
一・六 福地源一郎と新聞
一・七 桜痴の性格悲劇
二 日本初の英和辞典編纂者堀達之助とウェブスター辞書
二・一 堀達之助
二・二 ペリー来航
二・三 堀に贈られた英語辞書
二・四 堀の幽囚生活
二・五 蘭学を基礎とした『英和対訳袖珍辞書』
二・六 語義記述における五つの方法
二・七 堀達之助の接した英語辞書および英学書
二・八 箱館英学と函館文庫のウェブスター
二・九 『英和対訳袖珍辞書』の改訂
三 ウェブスター辞書と幕末の蘭通詞
三・一 舶載された最古のウェブスター辞書
三・二 ウェブスター辞書と森山栄之助
三・三 名村五八郎の利用したウェブスター辞書
三・四 幕末に舶載されたウースター辞書
三・五 葵文庫のウェブスター辞書
三・六 西村茂樹とウェブスター大辞典
四 福沢諭吉の蘭学から英学への転向
四・一 福沢諭吉の蘭学
四・二 英学への転向
四・三 福沢諭吉編纂の『華英通語』
四・四 福沢諭吉と中浜万次郎のウェブスター将来本
四・五 福沢諭吉の啓蒙思想と慶応義塾
四・六 福沢諭吉の国字改革
五 小幡兄弟の『英文熟語集』とウェブスター大辞典
五・一 小幡兄弟について
五・二 幕府開成所出仕と塾長就任
五・三 小幡甚三郎の留学と客死
五・四 『英文熟語集』とウェブスター大辞典
五・五 小幡兄弟の熟語集編纂過程
五・六 小幡兄弟の翻訳書
六 前島密のウェブスター辞書拝観
六・一 前島密と英学
六・二 前島密のウェブスター拝観
六・三 前島密と郵便制度
六・四 前島密による漢字廃止の建白
六・五 前島密の「国語」観
七 子安峻と日本初の本格的英和辞典『英和字彙』
七・一 『附音挿図 英和字彙』の編纂者
七・二 『英和字彙』の底本
七・三 内閣文庫のウェブスター辞書
七・四 『英和字彙』の特徴―挿絵―
七・五 『英和字彙』の特徴―発音表記―
七・六 『英和字彙』に見られる漢語偏重
七・七 漢語の日本文における挿入可能性と総ルビ方式
七・八 「読売新聞」創始者、子安峻
八 クラーク博士と札幌農学校のウェブスター辞書
八・一 アマーストのクラーク
八・二 開拓使辞書の編纂―専門語彙の増補―
八・三 札幌農学校へのクラーク着任
八・四 札幌農学校でのクラーク
八・五 札幌農学校のウェブスター辞書
八・六 札幌農学校卒業生の編纂した和英辞典
九 新島襄と同志社のウェブスター辞書
九・一 箱館から旅立った新島襄
九・二 新島襄の持ち帰ったウェブスター辞書
九・三 同志社大学の創設
九・四 新島の自由教育
十 愛国者内村鑑三とウェブスター大辞典
十・一 札幌農学校とアマースト大学で学んだ内村鑑三
十・二 内村鑑三とアメリカの現実
十・三 内村鑑三の利用したウェブスター大辞典
十・四 富国強兵と教育勅語
十・五 内村鑑三の英語学習論
十・六 内村鑑三のこころの内
十一 理想的教育主義者田中不二麿の将来したウェブスター大辞典
十一・一 田中不二麿
十一・二 遣欧使節団に同行
十一・三 田中不二麿と新島襄
十一・四 田中不二麿の将来したウェブスター大辞典
十一・五 田中不二麿の教育観と教育行政
十一・六 田中不二麿の失脚と国家主義教育の台頭
十二 愛国者の集まり政教社同人棚橋一郎とウェブスター系英和辞典
十二・一 棚橋一郎と母絢子
十二・二 棚橋一郎の教育活動
十二・三 辞書編纂家としての棚橋一郎
十二・四 棚橋一郎と政教社
十三 大槻文彦の『言海』とウェブスター辞書
十三・一 明治初期の日本語辞書
十三・二 大槻文彦と洋学
十三・三 大槻文彦の『英和大字典』
十三・四 大槻文彦の日本語辞書編纂
十三・五 ウェブスター辞書と「国語」辞典
十三・六 大槻文彦と近代国家日本
結び ウェブスター辞書と明治日本
・明治期におけるウェブスター辞書の影響
・英語辞書と国語辞典の編纂
《附録》
幕末明治とウェブスターの関係年表
ウェブスター辞書が明治英学に果たした役割は計り知れない。明治期に出版された英和辞典のほとんどはウェブスター辞書の影響を受けている。これらの各種ウェブスター辞書が英和辞典の編纂に利用された。また、明治時代に英語を学んだものでウェブスターのスペラー(綴字教本)や英語辞書に触れなかった者はいないくらい彼の存在は偉大であった。ウェブスター辞書は辞書編纂にたずさわった明治の英学者だけでなく、世界特に英米に目を向けた明治初期の文化人とも深いかかわりをもっている。彼らが、ウェブスターを通して英語といかに向き合ったかを追求したい。
ここで取り上げた人物は次の通りである。目次で示したい。
一 福地桜痴の英和辞典編纂
一・一 福地源一郎と洋学
一・二 文久二年遣欧使節団随行
一・三 福地源一郎の英和辞典編纂
一・四 アメリカ訪問とリッピンコット社
一・五 『英和対訳袖珍辞書』への歩み
一・六 福地源一郎と新聞
一・七 桜痴の性格悲劇
二 日本初の英和辞典編纂者堀達之助とウェブスター辞書
二・一 堀達之助
二・二 ペリー来航
二・三 堀に贈られた英語辞書
二・四 堀の幽囚生活
二・五 蘭学を基礎とした『英和対訳袖珍辞書』
二・六 語義記述における五つの方法
二・七 堀達之助の接した英語辞書および英学書
二・八 箱館英学と函館文庫のウェブスター
二・九 『英和対訳袖珍辞書』の改訂
三 ウェブスター辞書と幕末の蘭通詞
三・一 舶載された最古のウェブスター辞書
三・二 ウェブスター辞書と森山栄之助
三・三 名村五八郎の利用したウェブスター辞書
三・四 幕末に舶載されたウースター辞書
三・五 葵文庫のウェブスター辞書
三・六 西村茂樹とウェブスター大辞典
四 福沢諭吉の蘭学から英学への転向
四・一 福沢諭吉の蘭学
四・二 英学への転向
四・三 福沢諭吉編纂の『華英通語』
四・四 福沢諭吉と中浜万次郎のウェブスター将来本
四・五 福沢諭吉の啓蒙思想と慶応義塾
四・六 福沢諭吉の国字改革
五 小幡兄弟の『英文熟語集』とウェブスター大辞典
五・一 小幡兄弟について
五・二 幕府開成所出仕と塾長就任
五・三 小幡甚三郎の留学と客死
五・四 『英文熟語集』とウェブスター大辞典
五・五 小幡兄弟の熟語集編纂過程
五・六 小幡兄弟の翻訳書
六 前島密のウェブスター辞書拝観
六・一 前島密と英学
六・二 前島密のウェブスター拝観
六・三 前島密と郵便制度
六・四 前島密による漢字廃止の建白
六・五 前島密の「国語」観
七 子安峻と日本初の本格的英和辞典『英和字彙』
七・一 『附音挿図 英和字彙』の編纂者
七・二 『英和字彙』の底本
七・三 内閣文庫のウェブスター辞書
七・四 『英和字彙』の特徴―挿絵―
七・五 『英和字彙』の特徴―発音表記―
七・六 『英和字彙』に見られる漢語偏重
七・七 漢語の日本文における挿入可能性と総ルビ方式
七・八 「読売新聞」創始者、子安峻
八 クラーク博士と札幌農学校のウェブスター辞書
八・一 アマーストのクラーク
八・二 開拓使辞書の編纂―専門語彙の増補―
八・三 札幌農学校へのクラーク着任
八・四 札幌農学校でのクラーク
八・五 札幌農学校のウェブスター辞書
八・六 札幌農学校卒業生の編纂した和英辞典
九 新島襄と同志社のウェブスター辞書
九・一 箱館から旅立った新島襄
九・二 新島襄の持ち帰ったウェブスター辞書
九・三 同志社大学の創設
九・四 新島の自由教育
十 愛国者内村鑑三とウェブスター大辞典
十・一 札幌農学校とアマースト大学で学んだ内村鑑三
十・二 内村鑑三とアメリカの現実
十・三 内村鑑三の利用したウェブスター大辞典
十・四 富国強兵と教育勅語
十・五 内村鑑三の英語学習論
十・六 内村鑑三のこころの内
十一 理想的教育主義者田中不二麿の将来したウェブスター大辞典
十一・一 田中不二麿
十一・二 遣欧使節団に同行
十一・三 田中不二麿と新島襄
十一・四 田中不二麿の将来したウェブスター大辞典
十一・五 田中不二麿の教育観と教育行政
十一・六 田中不二麿の失脚と国家主義教育の台頭
十二 愛国者の集まり政教社同人棚橋一郎とウェブスター系英和辞典
十二・一 棚橋一郎と母絢子
十二・二 棚橋一郎の教育活動
十二・三 辞書編纂家としての棚橋一郎
十二・四 棚橋一郎と政教社
十三 大槻文彦の『言海』とウェブスター辞書
十三・一 明治初期の日本語辞書
十三・二 大槻文彦と洋学
十三・三 大槻文彦の『英和大字典』
十三・四 大槻文彦の日本語辞書編纂
十三・五 ウェブスター辞書と「国語」辞典
十三・六 大槻文彦と近代国家日本
結び ウェブスター辞書と明治日本
・明治期におけるウェブスター辞書の影響
・英語辞書と国語辞典の編纂
《附録》
幕末明治とウェブスターの関係年表